かつては過去の病気と思われていた梅毒が近年驚異的なスピードで感染拡大を続けており特に20代の女性や20代から40代の男性といった性的に活動的な世代を中心に患者数が急増していますがこの梅毒が進行すると「梅毒性脱毛」と呼ばれる特徴的な抜け毛症状が現れることを知る人は少なく感染に気づかないまま薄毛に悩み続けているケースが存在します。梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による性感染症であり感染してから約3ヶ月から半年の期間を経て第2期と呼ばれる段階に入ると全身のバラ疹などの皮膚症状と共に頭髪やまゆ毛まつ毛などが抜け落ちる症状が出ることがあります。梅毒による脱毛には大きく分けて二つのパターンがあり一つは頭髪全体が均一に薄くなるびまん性脱毛ですがもう一つは非常に特徴的な「虫食い状脱毛」と呼ばれるもので後頭部や側頭部を中心に直径1センチ程度の小さな脱毛斑が多数発生しあたかも虫に食われたかのようにまだら模様に見える状態となります。この抜け毛は痛みや痒みを伴わないことが多いため自分で気づくのが遅れることもありますが美容院で指摘されたり鏡を見て愕然としたりして初めて異変に気づくことも少なくありません。梅毒性脱毛の恐ろしいところは単に髪が抜けるだけでなく治療せずに放置すると病気が進行し数年から数十年後には脳や心臓に重大な障害を引き起こし最悪の場合は死に至る可能性があるという点ですが逆に言えば早期に発見して抗生物質による適切な治療を行えば細菌は死滅し脱毛症状も半年から1年程度で完全に回復して元通りのフサフサな髪に戻ることができるという希望もあります。しかし問題なのは「自分はまさか性病ではないだろう」という偏見や油断があり脱毛の原因として梅毒を疑う発想に至りにくいことでありこれが感染を拡大させる一因ともなっています。もし心当たりのある性行為がありその後数ヶ月以内に原因不明の抜け毛や手のひら足の裏の発疹微熱リンパ節の腫れなどの症状が現れた場合は恥ずかしさを捨てて皮膚科や感染症科あるいは保健所の無料検査を受診することが自分とパートナーそして将来の健康を守るための絶対条件となります。梅毒は早期発見さえできれば薬で完治する病気であり抜け毛はそのための重要な警告サインであることを決して忘れてはなりません。