鏡を見るのが怖かった僕が側頭部の薄毛と向き合った日々
僕が自分の側頭部の変化に気づいたのは、三年ほど前のことでした。美容室で何気なく合わせ鏡をしてもらったとき、これまで気にも留めなかったこめかみから耳の上にかけてのラインの地肌が、やけに白く見えたのです。その瞬間、心臓がどきりと音を立てたのを今でも覚えています。それからの日々は、まさに自分との戦いでした。朝、顔を洗うたびに鏡で側頭部をチェックし、昨日より薄くなっていないかと指で髪をかき分けるのが癖になりました。人との会話中も、相手の視線が自分の髪に向いているような気がして、落ち着かなくなりました。藁にもすがる思いで、インターネットで評判の育毛剤を試し、頭皮に良いとされる高価なシャンプーに切り替えました。しかし、数ヶ月使っても劇的な変化は見られず、焦りと失望だけが募っていきました。そんな時、ふと思ったのです。外側から何かを与えることばかりに躍起になって、自分の体そのものを労っていただろうか、と。そこから僕の挑戦は、内側からの改善へとシフトしました。まず、ジャンクフード中心だった食生活を見直し、タンパク質やビタミンを意識した自炊を始めました。夜更かしをやめ、最低でも六時間の睡眠を確保するように心がけ、週末には軽いジョギングで汗を流す習慣をつけました。すぐに髪が生えてくるような魔法はありませんでしたが、半年ほど続けた頃、体の調子が良くなっていることに気づきました。そして何より、自分のために行動しているという事実が、僕に自信を取り戻させてくれたのです。今でも側頭部の髪が特別に濃くなったわけではありません。でも、鏡を見るのが怖くなくなりました。これは、薄毛という悩みと真剣に向き合ったことで得られた、僕にとっての大きな財産です。