個人輸入の最大の魅力が「安さ」であるならば、その最大の、そして致命的なリスクは「偽造薬」の存在です。個人輸入で流通している医薬品の中には、悪意を持って製造された偽物が紛れ込んでいる可能性が常に付きまといます。この偽造薬のリスクは、単に「効果がない」というレベルの話ではありません。あなたの健康、場合によっては生命を脅かす深刻な危険性をはらんでいます。偽造薬には、いくつかの悪質なパターンが存在します。最も多いのが、有効成分が全く含まれていないケースです。この場合、高価な偽物を数ヶ月、数年間飲み続けても、髪が生えることはなく、時間とお金を無駄にするだけです。次に悪質なのが、有効成分の含有量が規定よりも少ない、あるいは多すぎるケース。含有量が少なければ期待した効果は得られませんし、逆に多すぎれば、予期せぬ強い副作用を引き起こす原因となります。そして最も危険なのが、表示とは全く異なる、未知の成分や不純物が混入しているケースです。過去には、海外で流通していた偽造薬から、殺鼠剤や重金属、ペンキの原料といった有害物質が検出された事例も報告されています。これらを服用すれば、肝機能障害や腎機能障害など、重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。AGAの治療を始めたはずが、取り返しのつかない病気を患ってしまっては本末転倒です。個人輸入代行サイトは、あくまで注文と発送を仲介するだけであり、取り扱う製品の品質を保証してくれるわけではありません。何か問題が起きても、彼らが責任を取ることはないのです。安さというメリットの裏側には、効果がないばかりか、あなたの体を蝕むかもしれないという、ロシアンルーレットのような危険な賭けが存在していることを、決して忘れてはなりません。