日々のカウンセリングの中で抜け毛や薄毛に悩む非常に多くの人々から相談を受ける機会がありますが彼らの大多数が頭皮の汚れを落とすことや高価な育毛剤を塗布することといった外部からのケアには熱心であるにもかかわらず髪の毛の材料そのものを体内に取り込むという最も基本的な栄養摂取の観点を見落としている現実に直面します。人間の身体は生命を維持するために非常に精巧にプログラムされておりもし体内の栄養状態が不足に陥った場合心臓や脳や内臓といった生命活動に直結する重要な器官への栄養供給が最優先され反対に生命維持には直接関係のない末端の組織である髪の毛や爪への栄養供給は一番初めにストップされるという厳しいルールが存在します。つまりあなたの髪の毛が現在抜けているということは身体全体が栄養不足のシグナルを発している証拠であり抜け毛対策の第一歩は頭皮のケアではなく身体全体の栄養状態を底上げして髪の毛にまで十分な栄養が余り回るような豊潤な体内環境を作り出すことに他なりません。髪の毛の主成分であるタンパク質を構成するアミノ酸の中でも特に重要なのがメチオニンやシスチンといった含硫アミノ酸ですがメチオニンは体内で合成することができない必須アミノ酸であるため食事から確実に摂取する必要があり鶏の胸肉やマグロの赤身あるいは牛乳やチーズなどの乳製品に豊富に含まれています。また摂取したタンパク質を分解し再合成する過程で必須となるビタミンB二やビタミンB六はレバーやカツオあるいはバナナやニンニクなどに多く含まれておりこれらが不足するといくらタンパク質を摂取しても髪の毛には変換されないため注意が必要です。さらに見落とされがちですが非常に重要な要素が腸内環境の状態でありどれほど栄養価の高い素晴らしい食材を食べたとしてもそれを受け止める腸が荒れていては栄養素が適切に吸収されずそのまま体外に排出されてしまうため発酵食品や水溶性食物繊維を日々の食事に取り入れて腸内の善玉菌を優位にし栄養吸収の土台を整えることが結果として抜け毛対策に直結します。また現代社会において避けては通れないストレスは体内で大量の活性酸素を発生させ毛根の細胞を攻撃して老化を促進させるため抗酸化作用のあるビタミンCを豊富に含む柑橘類やイチゴあるいはポリフェノールを含む緑茶やカカオ成分の多いチョコレートなどを適度に取り入れることも頭皮環境の悪化を防ぐために有効な手段となります。さらに女性に多い鉄分不足は血液中の酸素運搬能力を低下させ頭皮の細胞を酸欠状態にして毛母細胞の働きを鈍らせるためレバーや赤身の肉あるいはひじきや小松菜などの鉄分を多く含む食品をビタミンCと一緒に摂取して吸収率を高める工夫が求められます。このように髪の毛に必要な栄養素は多岐にわたりそれらはオーケストラの楽器のように一つ一つが調和して初めて美しい旋律を奏でるように健康な髪の毛を育むことができます。