朝起きた時に枕元に散らばっている髪の毛の数が以前とは比べ物にならないほど増えていたりシャンプーをするたびに排水溝が真っ黒になるほどごっそりと髪が抜けたりする経験をして背筋が凍るような恐怖を感じたことはないでしょうか。一般的に人間の髪の毛はヘアサイクルという周期に従って毎日50本から100本程度は自然に抜け落ちるものであり季節の変わり目にはもう少し増えることもありますがもしその本数が明らかに異常であり200本や300本といったレベルで毎日抜け続けているのであればそれは単なる加齢や遺伝による薄毛ではなく身体の中に潜む何らかの病気が引き起こしている危険なサインである可能性があります。私たちがまず理解しなければならないのは髪の毛という組織は生命維持に直接関わらない器官であるため身体が危機的な状況に陥ったり栄養不足になったりしたときに真っ先にエネルギー供給をカットされる場所であるということでありつまり抜け毛は身体からのSOSシグナルとして極めて敏感かつ重要な役割を果たしているのです。病気による抜け毛と一般的な男性型脱毛症AGAや加齢による薄毛を見分けるためのポイントはいくつか存在しますが最も分かりやすい特徴はその進行スピードと抜け方にあります。AGAなどが数年単位で徐々に進行し生え際や頭頂部などの特定の部位が薄くなっていくのに対し病気による脱毛は数週間から数ヶ月という短期間で急激に全体的に髪が少なくなったり円形や楕円形に境界明瞭な脱毛斑ができたりあるいは虫に食われたようにまだらに抜けたりするという特徴があります。また抜け毛に伴って全身の倦怠感や発熱体重の急激な増減動悸や息切れ皮膚の発疹関節の痛みといった髪以外の症状が現れている場合は内科的な疾患や膠原病などの全身疾患が隠れている可能性が極めて高くなります。例えば甲状腺機能の異常や鉄欠乏性貧血亜鉛欠乏症などは特に女性に多い抜け毛の原因でありこれらは適切な治療を行えば髪が元通りに回復する可能性が高いため「年だから仕方がない」と諦めて放置してしまうことは非常に危険であり治療の機会を逃すことにつながります。さらに近年増加傾向にある梅毒などの感染症も脱毛を引き起こすことが知られており心当たりがある場合は恥ずかしがらずに検査を受けることが自分自身とパートナーを守ることになります。もしあなたが急激な抜け毛に悩んでおりそれが通常の薄毛とは何かが違うと感じているのであればまずは皮膚科を受診して頭皮の状態を確認してもらうことが第一歩ですが必要に応じて内科での血液検査を受けることで隠れた病気を早期に発見できるかもしれません。髪は健康のバロメーターでありその変化を見逃さずに身体の声に耳を傾けることが重大な病気から身を守るための鍵となるのです。