長年気にしていた生え際の後退がいよいよ隠しきれなくなり意を決して職場の近くにある評判の良い皮膚科を予約した私は淡い期待を抱きながら待合室で順番を待っていましたがその期待は診察室に入って医師と話をした瞬間に脆くも崩れ去ることになりました。医師は私の頭皮を拡大鏡で確認し毛の太さや密度のばらつきを指摘した上で典型的な男性型脱毛症すなわちAGAであると診断しましたがそれに続いて告げられたのはこの治療は健康保険が使えないため全て自費になるという冷徹な事実でした。頭では分かっていたつもりでしたが実際に医師から保険証が使えないと言われると経済的な重圧が現実味を帯びて感じられ診察料や処方箋料そして薬代の合計金額を提示されたときには思わずため息が出そうになりました。医師の説明によればAGAは命に関わる病気ではなく自然な老化現象の一種や遺伝的な体質として扱われるため公的な医療保険の対象にはならず治療を受けるかどうかは完全に個人の自由意志と経済力に委ねられているとのことでした。提示された治療プランには内服薬による進行抑制と外用薬による発毛促進が含まれており毎月一万円近くの出費が続くことになる計算でしたが将来的に髪を失うことの精神的なダメージと比較して私は治療を受けることを決断しました。実際に治療を開始してみると薬代以外にも定期的な通院や血液検査が必要になることがありその都度財布を開くたびに健康保険のありがたみを痛感することになりましたが半年ほど経過した頃から明らかに抜け毛が減り産毛が太くなっていくのを実感できたときにはその投資が決して無駄ではなかったと思えるようになりました。しかしこの経験から強く感じるのは薄毛治療を考えている人は皮膚科に行けば何でも保険で治してもらえるという甘い認識を捨てあらかじめ自費診療であることを前提に資金計画を立てておく必要があるということでありクリニックによって薬の価格設定が異なるため事前のリサーチが不可欠であるという教訓です。
男性型脱毛症と診断された私が皮膚科で直面した自費診療の現実