美容室の鏡の前にお客様が座り私がハサミを入れたりシャンプーをしたりするために髪に触れた瞬間に「おや?」と感じる違和感は長年の経験から培われた直感的なセンサーのようなものでありお客様自身もまだ気づいていない抜け毛や薄毛の予兆を指先から感じ取ることが多々あります。健康な頭皮は青白く適度な弾力があり指で押すと少し沈み込むような柔らかさを持っていますが抜け毛のリスクが高まっているお客様の頭皮は血行が悪く硬く突っ張っていてまるで頭蓋骨に皮膚が張り付いているかのような感触であったり逆にむくんでブヨブヨとしていたりすることが多くこれらは頭皮の環境が悪化し毛根に十分な栄養が行き渡っていないサインです。またカットの最中に櫛を通しただけで抵抗なくパラパラと抜けてくる毛が多い場合やシャンプー台で流した時にお湯と一緒に流れていく髪の毛の量が明らかに平均よりも多い場合は現在進行形で休止期脱毛が進んでいる可能性が高くさらにその抜け毛が細く短い軟毛ばかりである時はAGAの進行を疑わざるを得ません。色に関しても注意深く観察しており頭皮が赤く炎症を起こしている場合はカラー剤やシャンプー剤によるアレルギー反応や紫外線ダメージを受けている可能性があり黄色くくすんでいる場合は酸化ストレスや加齢による影響が考えられこれらは放置すれば確実に抜け毛へと繋がる危険信号です。私たち美容師はお客様の髪の美しさを守るパートナーとしてこうした危険な予兆を感じ取った際には決して不安を煽るような言い方ではなく「最近少しお疲れではないですか?頭皮が少し硬くなっていますよ」とか「季節の変わり目で抜け毛が増えやすい時期なのでヘッドスパでリフレッシュしませんか」といった形で優しくアドバイスを送り生活習慣の見直しや適切なケアを促すように心がけています。お客様にとっても月に一度や二ヶ月に一度の美容室での時間はプロの目による定期検診のようなものであり担当の美容師さんとの会話の中で自分の髪や頭皮の状態について客観的な意見を聞くことは自己判断では見落としがちな抜け毛のサインに気づくための貴重な機会となるはずです。